サロン#118【労働基準法】ヘアサロン編16/美容学校に物申す!後編

サロンのこと

〈労働基準法で衰退する美容技術:15〉の続き

「嫌なら辞めなさい」

美容学校講師のこのような発言により、美容師の技術伝承が危うくなっています。

たとえ、辞めても他のサロンに移るならともかく、ほとんどが異業種への転職です。

そもそも、「勤める」意味がわかっていない学生。そして、職人の世界は、一人前になるまで技術特訓がつきものだと理解していない学生。上達スピードに差があれば、自ら自主練をすることも理解していない学生。

嫌なら辞める!
の前に、
レッスンが嫌なら帰る!
という、プライベートを優先して帰宅する卒業生が多くいますよ。

指導側は、後輩の育成にプライベートの時間を割いてくれます。

また、サロン側は、レッスン場、電気・ガス・水道代などの提供をしているのです。

高額授業料を払ってのこの考えは、

家庭が問題なのか?
親が問題なのか?
ゆとり教育が問題なのか?
美容学校の発言の影響なのか?
本人の問題なのか?

レッスン量の減少は、サロンの技術向上や運営に支障が出ます。

この内容は、わずか二年で社会に出る生徒たちのために、美容学校で「道徳」として定期的に言葉で伝え続けることが重要だと私は考えます。

卒業後、3年以内の離職率はすさまじいものです。公表されている全国データでは、40%近い離職率です。

しかし、東京や地方都市など、地域で大きく変動し、この京都では在職率が40%以下だと言われています。

美容師人生の明暗が別れるひとつに、レッスンの積み重ねが大きい。これは、「自分の生活」に直結する現実がリアルに現れます。

ましてや、女性美容師は将来的に「妊娠と出産」も視野に入れるでしょう。

現場を離れる期間がある女性は、技術習得の基盤となることを、

二年間の生徒期間に「記憶の一部」として残るメッセージも、美容学校で発信していただきたい。

妊娠中の制限、産後の体調回復、育児による時短勤務、突発的な子供の病気など、思うように働けません。

スタッフの技術力低下は、伝統の継承だけでなく、日本経済にも大きく影響します。

また、サロン運営はスタッフの賃金・賞与に響きます。「技術力=時間投資」という考えを、美容学校の講師も伝えるべきです。


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